生成AIって本当に便利ですよね.便利すぎて,最近は一日300回くらい質問してると思います.
しかし,こんなにも生成AIに依存していると,自分の思考が浅くなっているんじゃないかと不安になってきます.
かといって,生成AIを使わないと時代に取り残されてしまいます.どうしたものかと考えるうちに,
「“絶対に意思決定を行わない“AIを作ってしまえばいいんじゃないか?」
というアイデアにたどり着きました.
本記事は,真に人の意思決定を支援するAI意思決定支援アプリ「答えを出さないAI」の開発記録をまとめたものです.
どんなアプリにしたいか
アプリの構成

「心の中の天使と悪魔が対立する意見を言う」みたいなシーンって漫画とかで良くありますよね.ほかにも,「脳内で複数の自分が裁判する」みたいなのもあるあるですよね.
こんな感じで,ユーザーの入力に対して「複数のAIが全く異なる解答を提示する」ようにして,意思決定権はすべてユーザーに委ねる構成にする予定です.
類似のサービス
- 複数のAIにディベートをさせるサービス:Nomatica, miiboを用いたAIディベートサービス
- 複数のAIにディベートをさせるchatGPTのプロンプト:AI同士で議論させる
- 一度に複数のAIチャットサービスの返答が得られるサービス:ChatHub
このように,AI同士でディベートさせたり,ハルシネーション対策で複数のAIの返答を同時に見るサービスは多々あります.
上記のサービスと差別化を図るため,本アプリは
「常に複数のAIによる多角的な返答があり,AI達は絶対に一つの結論に落ち着かない」
ことを設計理念として掲げます.
「絶対に一つの解答が得られない」というのは,多角的な考えをユーザーに提示しつつ,決してユーザーの意思決定権を損ねないサービスであると言えます.
基本的なアイデア

- 様々な思考タイプ(リアリスト,ポジティブ,アグレッシブ等)のAIキャラクターが存在する
- ユーザーの質問に対して,常に複数のAIキャラクターが同時に異なる意見を述べる
- ユーザーがどのように命令しても,決して一つの意見にまとまることはない
AIキャラクターに関するアイデア

- AIキャラクターは,①口調,思考タイプ(リアリスト,ポジティブ,アグレッシブ等)を保持したプロンプトと,②キャラクターの見た目 から構成される
- ユーザーも独自にプロンプトや見た目を設定でき,それをオンラインコミュニティで公開できる
- オンラインコミュニティでは,ユーザーの指定した条件に従って,AIキャラクターをマッチングアプリのように検索したり,求人/掲示板形式で募集したりして,実際に会話してみることができる
AIキャラクターたちとの議論に関するアイデア

- 様々な形式でAIキャラクターたちと会話ができる
- グループチャット形式
- オンライン会議形式
- ディベート形式
- ミーティング形式
- ディスカッション形式
- ブレインストーミング形式
- 野次馬形式
- ユーザーが一人のAIと会話すると,野次馬AIキャラクターたちが横から異なる意見を飛ばしてくる
- ネット掲示板形式
- ユーザーの掲示板への投稿に対して,全くランダムなAIキャラクター達が勝手に会話を始める
- ユーザーの発言の影響力は低く,さながら本物のネット掲示板のようなカオスさを再現する
- ユーザーの発言度を設定できる.
- ユーザーの発言権を他AIキャラクターの発言権と同程度にすることで,実際に議論に参加しているような体験ができる
- 発言の内容によっては,ユーザーの発言が無視される可能性すらあるかも…?
- ユーザーの発言権を最大にすることで,司会者やリーダーのように議論を導くことも可能
- ユーザーの発言権を他AIキャラクターの発言権と同程度にすることで,実際に議論に参加しているような体験ができる
- 議論の堂々巡りを防ぐための司会者AIキャラクターを設定することが可能
意見の多様化に関するアイデア
- AIキャラクターたちのAIモデルを自由に変更できる
- 課金でAIモデルの数を増やしたり,ユーザーが契約中のAIモデルのAPIを使えるようにする
- 議論は,ユーザーが選んだAIキャラクター達以外に,ユーザーが選択しているAI達と異なる思考タイプのゲストAIキャラクターがランダムに訪問してくる可能性がある
- ユーザーの入力履歴を元にユーザーの分身AIキャラクターが生成可能
- 自分の思考パターンを客観視することが可能
まとめ
- このアプリは,ユーザーに対して常に二つ以上の意見を返し,真の意味でユーザーの意思決定を支援するサービスであると言える
- アプリのアイデアが出そろったので,次回はこれらのアイデアを実現するための要件定義を行う
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